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　同じＡＶのプロダクションで出会ったしずかちゃん（２７歳）の話です。

　しずかちゃんは特に似ている芸能人は思いつかないですが、雰囲気はモーニング娘。のミニモニにいそうなイメージのロリ系の女の子でした。同じ企画の撮影で会うことが多くなりとても仲良くなりました。ＡＶのお仕事は現場が同じだと待ち時間も多いし、移動も同じになることが多いので自然と会話が増えます。六本木のクラブを貸し切って忘年会や屋形船の飲み会などもいい思い出です。

　ＡＶ女優というと今ではプチ芸能人のような存在ですが、ここ数年はそのハードルも下がりとても多くの女性が出演されています。マネージャーに聞いた話では１年間で新人としてデビューする女性の人数はざっくり６０００人もいるそうです。つまり１日１６人！？そんな多いの！？と元ＡＶ女優でも驚いてしまう数字ですね。だいたい女子校の２クラスの中に１人は出演しているようなレベルだそうです。それだけ多いＡＶ女優のなかでバレてしまったしずかちゃんの話に戻します。

　彼女は５０本くらい出演したそうですが、友人にも彼氏にも誰にもバレずに引退していきました。しっかり貯金をして引退後にＯＬさんをしている時に食品メーカーの課長さんと出会い結婚しました。結婚してから１年くらいして、あまり連絡を取る事もなくなっていた頃です。急に泣きながら電話が掛かってきました。

　しずかちゃん「マヨちゃん！旦那にＶのことばれたかも！どーしよ～（泣）」

　私「え！？なんで？だって随分前から撮影してないよね？」

　しずかちゃん「うん。でもＴＳＵＴＡＹＡの袋の中に私のＶが入ってたんだ～（泣）」

　私「あ、それはバレたかもじゃなくて、　、　、１００％バレたよね？」

　とりあえずしずかちゃんを落ち着かせて、彼女は撮影の時に髪型や声を変えていないので「似てるね！！」の作戦は無駄であることを説明して正直に旦那に言ってみるという話になりました。

　その夜は旦那さんが帰ってきてから予想通り修羅場になったそうです。詳しく聞いてみると中古のＤＶＤの中から偶然自分のタイプの女の子を選んだらしずかちゃんだったそうです。しずかちゃんは正直にＡＶに出演していたこと。出会う数年前に１年間だけ仕事をしていて有名女優ではなかったので現在レンタル店には絶対ないことを説明しました。

　最終的には器の大きな旦那さんで出会う前にしていた事と、今は全くその業界とは関係がないことを確認されて許してくれたそうです。もしかしたら離婚？なんてことも考えていたのですがしずかちゃんの人間性やお金が必要だった過去も理解してもらえて大事至らずに何よりでした。

　今回のような大きなモメごとに発展しないケースは珍しいのかもしれませんが、身内に直接バレたのも珍しかったのでよく記憶しています。私が所属していたプロダクションはバレたくない女性に関してはとても気をつけて広告や雑誌を選んでくれていたのでほとんどの女の子がバレることなくお仕事ができていました。でも偶然にタイプだと思ったＡＶ女優が妻だったのは残念ですが、よほどしずかちゃんが好みのタイプだったんですね。（笑）

■麻世（マヨ）　1９８０年１月１０日生まれ。元風俗嬢でキャバクラ、ヘルス、ソープ、ＡＶと高収入な仕事を数多く経験し、現在は子育てのあいだに執筆活動と風俗コンサルタント。精神的に病みやすくいろいろなトラブルが起きやすい風俗業界の裏で麻世が助けられた女の子、助けられなかった女の子のエピソードを高収入サイト「あんない嬢」（http://annaijyou.jp/）で連載中。